みどりの歯科クリニック

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捕る・摂る・食べる

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【連載22】捕る・摂る・食べる(2) 6.まとめ

【連載22】では、栄養素を生み出す植物と、それを食べて生きる草食動物のお話しをしました。

皆さまには、栄養素をめぐる動植物の活動に興味を持って頂ければ幸いです。

みどりの歯科クリニックは、これからも皆様と共に歩んで行きたいと思っております。
どうぞお気軽にお立ち寄りのうえ、ご遠慮なくご相談下さいますようお願い致します。

 

2018-06-24 12:00:00

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【連載22】捕る・摂る・食べる(2) 5.ウシと4つの胃((2) 草食? それとも微生物食?)


(前回からの続き)

前回のウシの反芻胃(第1, 2胃)に続いて、ここでは、第2胃から第4胃についてお話ししましょう。

第2胃
内面に配置された絨毛が、蜂の巣のように見えることから、蜂の巣胃とも呼ばれます。

第2胃は、第1胃の内容物を攪拌する際に、中心的な役割を果たします(*1)。
また、反芻時に食物をはき戻す際の、原動力となります。

第3胃
内面には、大小のひだ約100枚が、平行に配列されています。

反芻胃で発酵した食物が第3胃に送られると、このひだで選別されます。
すなわち、水分除去と共に、細かい成分は第4胃へ送られ、まだ粗い成分はひだで擦りつぶされます。

第4胃
4つの胃の中で、この第4胃だけが胃液を分泌することから、本来的な意味での胃、と言える器官です。

第3胃で選別された発酵後の食物、そして反芻胃で活躍した微生物体は、この第4胃で消化されます。

消化された食物や微生物体は、さらに小腸に送られ、その栄養分が体内に吸収されます。

草食? それとも微生物食?
最後に、これまでのお話しをもう一度振り返って、考えてみましょう。

反芻胃を持つ草食動物のウシは、確かに植物を食べて生きています。
しかし、その主成分セルロースなどを消化吸収するのは、ウシ自身ではなく、その反芻胃に棲む微生物です。

そして、実際にウシが消化吸収するのは植物ではなく、微生物が生み出した代謝物と、微生物の体(からだ)なのです。

このことから、「ウシは草食動物ではなく、微生物食動物だ。」 と言う見方もあるようです。

(終わり)

(注記)
(*1) 広瀬可恒(1973):反芻胃をめぐる消化栄養の生理, 化学と生物, 11 巻 (1973) 8 号 p. 490-498

 





 

2018-06-17 12:46:00

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【連載22】捕る・摂る・食べる(2) 4.ウシと4つの胃((1) 巨大な反芻胃と微生物)

ウシの反芻胃は巨大
ウシは、4つの胃を持つ代表的な反芻(はんすう)動物です。
反芻とは、摂取した食物を消化する際に、口と胃の間を往復させることです。

具体的には、まず口で咀嚼(そしゃく)し、次に胃に送って部分的に消化します。
その後、口に戻し再度咀嚼した後に再び胃に送り消化する、という過程を繰り返します。

反芻に関わる第1胃と第2胃を反芻胃と呼び、その容積は胃全体の80%以上を占めます(*1) 。
一方、ヒトの胃と同じ役割を担う第4胃は相対的に小さく、その容積は全体の10%未満です。

第1~3胃をまとめて前胃、第4胃を後胃と呼ぶこともあります。
以下では、第1胃から第4胃の概要をご紹介しましょう。

反芻(第1,2)胃 と微生物
(1) ウシと微生物の共生
ウシがセルロースを分解できるのは、まさにこの反芻胃のお陰です。
さらに言えば、そこに棲む無数の微生物のお陰と言えます。

これに対して、ウシは反芻胃内のpHと温度を調節して、微生物が棲息しやすい環境を作っています。
このようにウシと微生物は、お互いに利益を与え合う共生関係にあるのです。

(2) エネルギー源を生成
セルロースなどは反芻胃で微生物により分解発酵し、酢酸・プロピオン酸・酪酸などの揮発性脂肪酸(VFA)が生成されます。

反芻胃が「巨大な発酵タンク」と呼ばれるのは、このためです。

生成された揮発性脂肪酸は、第1胃壁から吸収 されます。
その後、血管系を通して体組織に運ばれ、全消費エネルギーの6割以上を賄うと言われます。

(3) タンパク質も合成
それだけではありません、微生物はタンパク質も合成します。

食物に窒素化合物が含まれていれば、微生物はそれらをアンモニアに分解します。
そのうえで良質のタンパク質に再合成し、自らの微生物体を作 り上げるのです。

(次回に続く)

(注記)
(*1) 広瀬可恒(1973):反芻胃をめぐる消化栄養の生理, 化学と生物,11巻(1973)8号,p.490-498.

 


 

2018-06-10 12:00:00

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【連載22】捕る・摂る・食べる(2) 3.草食動物と微生物の共生

微生物との共生
草食動物とは、植物を主な食物とする動物です(*1)。

しかし草食動物と言えども、自力では植物を分解出来ません。
セルロースを分解する酵素を持たないからです。

一方、バクテリアなど微生物のなかには、セルロースを分解出来るものが数多くいます。
そこで、草食動物たちは、消化管内にこれら微生物を棲息させ、彼らにセルロースを発酵分解させています。

微生物はどこにいる?
草食動物の中には、ウシのように複数の胃を持つものがいます。
彼らは口と反芻(はんすう)胃の間で食物を反芻するので、反芻動物と呼ばれます。

反芻動物は、その反芻胃のなかに微生物を棲息させています。
一方、反芻胃が無い動物では、大腸に微生物を棲ませています。

口から始まり肛門で終わる消化管全体から見ると、胃はその前部、大腸は後部にあります。
そこで、微生物の棲息場所が胃の場合を前胃発酵動物、そして、大腸の場合は後腸発酵動物と呼びます。

(1) 前胃発酵動物
このグループで最も代表的なのはウシで、その胃の容積は消化管全体の約70%を占めます(*2)。

微生物が棲息する反芻胃は、言わば巨大な発酵槽で約200リットルもあります。
セルロースなどはここで分解発酵し、揮発性脂肪酸(VFA)となり胃壁から吸収されます。

代表的な動物としては、ウシ・ヤギ・ヒツジ・シカ・キリンなど(反芻亜目)がいます。
さらに、ラクダやラマ(ラクダ亜目)もこのグループです。

(2) 後腸発酵動物
こちらの代表はウマで、その大腸(盲腸・結腸・直腸)の容積は消化管全体の約60%を占めます。

このグループの動物では、胃や小腸ではセルロースなどは消化吸収されません。
微生物が棲む大腸まで来てはじめて分解発酵し、VFAとなり大腸管壁から吸収されます。

代表的な動物としては、馬・ウサギ・ラットなどがいます。

(注記)
(*1) 近藤誠司(2002):ウマの消化機能の特徴ー育成馬の飼養管理ー, BTCニュース, 49号,p.13-15,平成14年10月1日発行.
(*2) Wilson G. Pond et al.: Basic Animal Nutrition and Feeding, New Delhi, Wiley,1974.

 


 

2018-06-03 12:00:00

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【連載22】捕る・摂る・食べる(2) 2.草食動物は臼歯で戦う

植物の消化は難しい
草食動物は、自らは栄養素を作れないので、植物の葉や茎を食べて生きています。

その植物の細胞壁(細胞外マトリックス)の主成分はセルロースです。
セルロースは、地球上で最も多い炭水化物(糖質)、と言われています。

しかし、セルロースなどから成る植物繊維は強靭(きょうじん)です。
そのため、動物がそれを破砕して栄養素を取り出すのは、容易でありません。

植物の体は、動物が食べ難(にく)いように進化してきたのです。

草食動物も歯を進化させた
植物の硬い組織を「すりつぶす」役割を担うのが、草食動物の臼歯(きゅうし)です。
しかしこの作業は、毎日幾度も繰り返されるため、臼歯の方も少しずつ摩耗していきます。

これに対処するため、草食動物たちの臼歯には、色々な対策がとられています。
ここでは、象の場合を例にその様子を見てみましょう。

象の臼歯は6回も生えてくる
私たち人間の歯は、一生に1回だけ、乳歯から永久歯に生えかわります。
これに対して、象の臼歯は一生(60~70年)に6回も生えてきます(*1)。

そして、古い臼歯が摩耗した頃に、新しい臼歯と入れ替わります。
このお陰で、象は生涯に渡って、植物から栄養素を摂取できるのです。

臼歯が前方に移動する
ところで、象の臼歯の生えかわり方は、人間など大半の哺乳類とは大きく異なります。
人間などの永久歯は、乳歯の下から垂直に生えてきます。

しかし象では、新しい臼歯はいつも口の奥で生えるのです。
その後、新しい臼歯が古い臼歯を押し出すようにして、両臼歯が前方に移動します。

古い臼歯は移動しながら摩耗し続け、最前部から欠け失われていきます。

(注記)
(*1) ジョージ・フレイ(2016):UPALI.CH 象の百科事典/ゾウの歯,永久歯,牙.

 





 

2018-05-27 12:00:00

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【連載22】捕る・摂る・食べる(2) 1.生物たちの栄養摂取

動物を圧倒する植物
この地球上に生きる生物は、大きく植物と動物に分けられてきました。

植物は大地にしっかりと根を下ろし、その場所から動くことなく一生を過ごします。
一方、動物は足で地面を歩いたり、羽根で空を飛んだりと、自らの力で動きます。

生物のなかでも植物は、圧倒的に大きな割合を占めています(*1)。
陸地に現存する生物の乾燥重量を比べると、動物は植物の1%にも満たないと言われます。

植物は自ら栄養素を生成する
植物の大きな特徴は、光合成の機能を持つことです。

光合成は植物の葉緑体内で行われる反応で、光化学反応およびカルビン回路の2つの段階から成っています。

光化学反応では、太陽光のエネルギーで水を分解して化学エネルギーを生成します。
カルビン回路では、そのエネルギーを利用して、二酸化炭素を還元して炭水化物(糖質)を生成します。

さらに、根から取り込んだ窒素やミネラルを利用して、植物内でタンパク質や脂肪を生成しています。

このように、植物は生きるために必要な栄養素を、自分の力で生成しているのです。

動物の生きる道(草食、肉食、雑食)
植物が蓄える糖質、タンパク質、脂肪は、動物にとっても重要なもので、3大栄養素と呼ばれています。
しかし植物と違って、動物にはこれらを自ら生成する能力がありません。

従って動物が生きるには、植物または他の動物を食べることで、これらの栄養素を摂取するしかありません。

動物を、食べる物の種類から分けると、大きく3つに分けられます。
第1は植物だけを食べる草食動物、第2は動物だけを食べる肉食動物、そして、第3が植物と動物の両方を食べる雑食動物です。

(注記)
(*1) 浦野慎一(1996):地球は生物をどのぐらい養えるか, 化学と生物, Vol.34, No.3, p.192-195.

 


 

2018-05-20 12:00:00

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【連載21】捕る・摂る・食べる 9.まとめ

【連載21】では、動物たちが水中で獲物を捕える方法などをご紹介しました。

皆さまには、水と共に生きる魚や鳥たちを身近に感じて頂ければ幸いです。

みどりの歯科クリニックは、これからも皆様と共に歩んで行きたいと思っております。
どうぞお気軽にお立ち寄りのうえ、ご遠慮なくご相談下さいますようお願い致します。

 

2018-05-13 12:00:00

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【連載21】捕る・摂る・食べる 8.200万羽のフラミンゴ

地球最大のスペクタクル
東アフリカはケニアの首都、ナイロビから日帰りできる距離に、ナクル(Nakuru)湖があります。

かつてこの湖のフラミンゴは、「地球最大の鳥の光景」 として世界的に有名でした。
そして、飛来するフラミンゴの数は100万~200万羽とも言われました。

大半がレッサー・フラミンゴ(和名はコフラミンゴ)ですが、一部、グレーター・フラミンゴ(和名はオオフラミンゴ)が含まれます。
前者はフラミンゴの中で最も数が多く、また、後者は分布域が最も広い種です。

羽毛の色は両種共にピンクがかった白色ですが、体の大きさと嘴(くちばし)の色には差があります。
前者は比較的小型で嘴の大部分が黒色ですが、後者は大型で嘴は先端だけが黒色です。

藍藻(らんそう)はフラミンゴの命
ナクル湖は、大地溝帯(グレート・リフト・バレー)に並ぶ湖の一つです。
この地帯の湖はアルカリ栄養湖で、藍藻が豊かに生育しています。

フラミンゴにとって、この藍藻は生きるために必要な食物です。
また、あの美しい羽毛のピンク色も、藍藻の色素カロテノイドによるものです。

なお、これまで藍藻と呼んでいたものが、実際には細菌の一群であることがわかってきました。
それに伴い最近では、「藍色細菌(またはシアノバクテリア)」と呼ぶようになりました。

食物を求めてフラミンゴが移動
最近ナクル湖では、人的な環境破壊や異常気象などで、豊富だった藍藻が激減しました。
それに伴いフラミンゴ数も激減し、今では多くて数百羽とも言われます。

ナクル湖のフラミンゴの大半が、食物を求めて他の湖に移動したのです。
主な移動先はエルメンテイタ湖、ボゴリア湖など、大地溝帯に並ぶ近隣の湖のようです。

 




 

2018-05-06 12:00:00

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【連載21】捕る・摂る・食べる 7.あのフラミンゴにもヒゲが!

フラミンゴも濾過摂食(ろかせっしょく)する
湖や干潟に生息するフラミンゴは、水中の藍藻(らんそう)類や小動物を食べて生活しています。
後者には、ブライン・シュリンプなどの甲殻類から、軟体動物、昆虫、さらに幼虫なども含まれます。

フラミンゴは、これらを水や泥と一緒に吸い込んだ後、獲物だけを漉し取ります。
その役割を担うのが嘴(くちばし)で、そこには濾過摂食に適応した特異な特徴が見られます。

折れ曲がった嘴
まず目につくのが、その独特な形状です。
嘴の長さ方向の中央付近で、大きく下に折れ曲がっています。

獲物を捕える時は、長い首を大きく曲げて、嘴を水中に突っ込みます。
このとき嘴が回転するため、水中では上嘴が下側に、そして下嘴は上側にきます。

このようにフラミンゴは、嘴の上下が逆転した状態で、獲物を捕えます。

濾過の主役は板歯(ばんし)
水中の嘴で捕えた獲物は、水や泥と一緒に口の中に吸い込まれます。
しかし、この水・泥・獲物の混合物を、そのまま食道に送ることは出来ません。

そこで活躍するのが、板歯(lamellae)と呼ばれる、嘴の外縁に並ぶヒゲ状の組織です。
フラミンゴは、この板歯の濾過作用を利用して、水・泥・獲物の混合物から獲物を漉し取っています。

なお、この濾過摂食の過程では、口の中を移動する舌や、口を開閉する嘴、も重要な役割を果たします。
なかでも舌の移動は、水や泥を体外に排出する際の、原動力となっています。

 




 

2018-04-29 12:00:00

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【連載21】捕る・摂る・食べる 6.カモ科の鳥にもヒゲがある

ヒゲがある動物はクジラだけではありません(*1)。
水辺に生息するカモ、アヒル、ガチョウなど、カモ科の鳥たちの多くも、嘴(くちばし)にヒゲを持っています。

ハシビロガモの大きな嘴
そのなかでも、特に目立つのがハシビロガモです。
まずはその嘴に着目してみましょう。

右上図は、カモを代表する鳥マガモとハシビロガモの嘴です。

その形状を普通の鳥と比べると、いずれも幅が広くて扁平です。
次にマガモとハシビロガモを比べると、後者の嘴が極端に大きいことがわかります。

更に後者では、嘴の先端部(ハシ)の広(ヒロ)さが印象的です。
この種の和名ハシビロガモ、そして英名のショベラー((Northern) shoveler)は、共にこの独特な形状に由来するものです。

ヒゲの名は板歯(ばんし)
ヒゲクジラのヒゲは、ヒゲ板(baleen)と呼ばれていました。

これに対して、カモ科の鳥たちのヒゲは、板歯(lamellae)と呼ばれます。
右下図の白色の薄い板が板歯で、黒い嘴の外縁に並んでいます。

カモ科の鳥たちはこの板歯を使って、ヒゲクジラと同様に濾過摂食をしています。
すなわち、プランクトンや軟体動物を水ごと吸い込んだ後、板歯で獲物だけを濾し取るのです。

(注記)
(*1) 本連載の第4回、「クジラはヒゲで濾過する」 をご参照下さい。

 




 

2018-04-22 12:00:00

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