みどりの歯科クリニック

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ホシザキユキノシタ

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【連載28】ホシザキユキノシタ 5.まとめ

【連載28】では、ホシザキユキノシタのお話しをしました。

皆さまには、つくば市の花でもあるこの花に、興味を持って頂ければ幸いです。

みどりの歯科クリニックは、これからも皆様と共に歩んで行きたいと思っております。
どうぞお気軽にお立ち寄りのうえ、ご遠慮なくご相談下さいますようお願い致します。

 

2019-07-21 12:00:00

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【連載28】ホシザキユキノシタ 4.ABCモデル


花の発生(ゲーテは正しかった)
文豪ゲーテは『植物変態論』で、「花は葉が変化してできた。」と主張しました。
しかし、それが科学的に証明されたのは、それからニ百数十年を経たごく最近のことでした。

そのベースとなったのが、花の発生を遺伝子の発現から説明するABCモデルです。
1990年代はじめに米国のMeyerowitzらにより提唱され、今では教科書にも載っています(*1)。

このモデル(右上図)は、発生する花の器官と発現する遺伝子、の関係を示しています。
例えば、がくの発生ではクラスAの遺伝子が発現し、花弁ではAとB、雄しべではBとC が発現します。

ABCモデルと花弁の変化
右下図は、ABCモデルをホシザキユキノシタに適用したものです。
ここでは仮に、花弁5枚が全て雄しべに変化した場合を想定します。

右上図と比べると、クラスAの遺伝子発現領域は狭まり、がくが発生するW1だけに絞られます。
代わりに、クラスCの発現領域は広がり、右上図で花弁が発生するW2にまで及びます。

その結果、クラスAとBの発現領域は消滅し、代わりに、クラスBとCの発現領域がW3から(W2+W3)に広がります。
こうして、このホシザキユキノシタでは花弁は消滅し、代わりに雄しべが発生します。

ホシザキユキノシタの生育地
ホシザキユキノシタは、筑波山の男体山山頂に自生する他、筑波山神社などにも生育しています。

また、植物園では下記などで見ることが出来ます。

 ・筑波実験植物園 (茨城県つくば市)
 ・国営昭和記念公園 (東京都立川市)
 ・東京都薬用植物園 (東京都小平市)
 ・京都府立植物園 (京都市左京区)

(注記)
(*1) E. Coen and E. Meyerowitz(1991): The war of the whorls: genetic interactions controlling flower development. Nature 353, p.31-37.

 





 

2019-07-14 12:00:00

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【連載28】ホシザキユキノシタ 3.花弁から雄しべへ


ホシザキユキノシタとは?
ホシザキの特徴と言えば、ユキノシタに見られる下側の大きな花弁2枚が退化して、極端な場合は雄しべに変化している点です。
牧野先生は、これについて次のように説明しています(*1)。

  "Anterior 2 petals much reduced in size and not dipterous. "
  「(ユキノシタと比較すると)下側の2花弁が大変小さくなり、もはや2花弁には見えない。」

実際に咲く花は定義通り?
筑波植物園で星のように咲き誇るホシザキユキノシタを前に、その花弁に注目しました。

牧野先生の説明と比べると、変化が中途半端なものが少なくありません。

たとえば右図。下側の2花弁は、ユキノシタと比べると十分小さいが、まだまだ立派な花弁に見えます。

実は、この中途半端な花が見られるのは、この植物園だけではありません。
ホシザキユキノシタが自生する筑波山でも、同じような花が見られます。

さらに筑波山では、牧野先生の説明を越えて変化した花も、見つかっています(*2)。

たとえば、下の花弁2枚だけでなく上の3枚も加わり、合計5枚の花弁全てが、雄しべに変化した花もあるそうです。

この変化に文豪ゲーテも注目
いろいろな花で、花弁が雄しべに変化することは、古くから知られていました。

ドイツが誇る文豪ゲーテは植物の研究にも力を注ぎ、これについて、著書『植物変態論』で詳説しています(*3)。
その一部(Ⅷ.蜜腺、51)を抄訳すると、次の通りです。

「多くの植物では、花弁から雄しべへ迅速に変化する。
しかし一度に変化せず、中間の器官をつくる植物もある。
その場合も、器官の形状は少しずつ、花弁から雄しべに近づいていく。」

(注記)
(*1) Tomitaro Makino(1926):A Contribution to the Knowledge of the Flora of Japan, THE JOURNAL OF JAPANESE BOTANY, Vol.3.
(*2) HiroKen花さんぽ:(ホームページ)/野山の花アルバム2/ユキノシタ科/ユキノシタ属/ホシザキユキノシタ.
(*3) THE METAMORPHOSIS OF PLANTS, Johann Wolfgang von Goethe, Introduction and photography by Gordon L. Miller, The MIT Press, 2009.

 






 

2019-07-07 12:00:00

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【連載28】ホシザキユキノシタ 2.筑波植物園に咲く


筑波植物園
筑波実験植物園は、筑波山の南に広がるつくば市内にあります。
ここでは、筑波山だけに自生するホシザキユキノシタを見ることが出来ます。

ところがもう5月なのに、ホームページ「今週の開花リスト」に、なかなかその名が現れません。
待ち切れず電話すると、「今は蕾(つぼみ)ですが、お天気次第で間もなく咲くでしょう。」

ホシザキユキノシタに会う
5月16日、期待を胸にいよいよ植物園に出かけました。
中央広場南東側の区画 「H5 筑波山の植物」に、「ホシザキユキノシタ」の看板があります。

どの枝を見ても、開花しているのは茎頂部の一輪だけでした。
そのうえ花があまりにも小さいため、見過ごしてしまいそうです。

しかし、そっと近づいてみると、その存在感はなかなかのものです。
さらにカメラのレンズで拡大すると、その可憐な姿にすっかり魅了されてしまいます。

それから約2週間後、再び植物園に向かいました。
今度は満開のホシザキユキノシタに会うことが出来ました。

その小さなスペースは白い花で満ち溢れ、雪が降ったようにも見えました。

ユキノシタと白雪
ユキノシタ(雪ノ下)という和名の由来について、牧野先生は次のように記しています。
 「其葉上二白雪ヲ載キ緑葉其下二隠見セル風姿ヲ賞シテ謂ヒシモノ呼(*1)。」

ここで、「白雪」を「白い雪のように見える花」と解釈すると、次のように口語表現できるでしょう。
 「白い雪のような花を載(いただ)き、その下に緑の葉が見え隠れする姿をほめたたえた。」

ユキノシタのような大きな白い花弁は無いものの、満開のホシザキユキノシタを目の前にすると、うなずけます。

ただし、「白雪」を「白い雪」と解釈する説もあり、その場合はかなりニュアンスがかわります。
 「寒い冬に、白い雪が葉の上に積もっても枯れず、生き生きした緑の葉が雪の下に見え隠れする姿をほめたたえた。」

(注記)
(*1) 牧野富太郎(1940):牧野日本植物図鑑, 第1475図 ゆきのした(虎耳草).
 




 

2019-06-30 12:00:00

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【連載28】ホシザキユキノシタ 1.ホシザキ(星咲)と牧野先生

花弁を欠いたユキノシタ
ホシザキユキノシタ(星咲雪ノ下)は、夜空に散りばめられた星のように、清らかに美しく咲きます。
そして、この花を見た人は誰もが、「ホシザキ(星咲)」の名がこの花にぴったりだと知るでしょう。

名付け親・牧野富太郎先生は、「ホシザキ」に対応する学名部分を "aptera"としました(*1)。
この合成語は 「 a(欠く) + ptera(翼) 」なので、「 花弁(翼)を欠く」 と訳せます。

ユキノシタから2枚の花弁が欠け、ホシザキユキノシタに変わったことを示しています。

ただし欠けた2枚の花弁は、消えてしまったのではありません。
それらが雄しべに変化することで、この花を「ホシザキ」に変身させたのです。

この変身ぶりを「大変珍しい」と言われたのが、2,500種以上の植物の命名者でもある牧野先生でした。

牧野先生は「ホシザキ(星咲)」がお好き?
和名に「ホシザキ」がつく花は、ホシザキユキノシタだけではありません。

Makinoの名が学名に残る花では、次の2つが良く知られています。

 ・ホシザキイナモリソウ(星咲稲森草) [東京都・高尾山]
 ・ホシザキカンアオイ(星咲寒葵) [高知県]

この「ホシザキ(星咲)」と言う語は、牧野先生のお気に入りだったのかも知れません。

(注記)
(*1) Tomitaro Makino(1926):A Contribution to the Knowledge of the Flora of Japan, THE JOURNAL OF JAPANESE BOTANY, Vol.3, No.11& No.6.
 




 

2019-06-23 12:00:00

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