みどりの歯科クリニック

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かぐや姫

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【連載30】かぐや姫 10.月に帰らねばなりません


かぐや姫が嘆く
竹取の翁(おきな)は、月を見ては嘆くかぐや姫のことが、心配でなりません。
八月十五日が近づいたある日、かぐや姫は泣きながら翁に言いました。

月に帰らねばなりません
・(原文) (*1)
「-- さのみやはとて、うち出(い)で侍(はべ)りぬるぞ。
おのが身は、この国の人にもあらず、月の都の人なり。

   --- 中略 ---
この月の十五日に、かの本(もと)の国より、迎へに人々まうで来むず。
さらずまかりぬべければ、
思(おぼ)し嘆(なげ)かむが悲しきことを、この春より、思ひ嘆き侍るなり」


・(現代語訳)
「-- しかし、そうばかりはしていられないと思い、打ち明けるのです。
私の身は、この世界の人では無くて、月の都の人です。
   --- 中略 ---
この月の十五日に、あの本国から、私を迎えに人々がやって来るでしょう。
どうしてもお別れしなければならないので、
(おじいさん、おばあさんが)お嘆きになると思うと悲しくて、この春から思い嘆いているのです」

家中が悲しみに包まれる
これを聞いた翁が、悲しさのあまり怒り泣きわめきます。
そしてかぐや姫もおいおい泣き、家中が深い悲しみに包まれたのでした。

(注記)
(*1) さのみやは=さ+のみ+やはさ(然)=そのように、やは=[反語]~だろうか? いや, ~ない。
うち出づ=口に出して言う, 打ち明ける。
侍りぬる=侍り+ぬる[(ぬ)の連体形]侍り=~(て)おり)ます、=[完了]~てしまう。
=地上(⇔天), 世界, 日本。
さらず=避らず=避けることができないで, やむを得ず。
まかる=罷る=(「行く,去る」の謙譲語) 参ります, おいとま致します。
思し嘆く=(「思ひ嘆く」の尊敬語) 嘆き悲しむ。


 

 

2019-12-08 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 9.帝の想いもかなわぬ


帝の登場
最後の求婚者は帝(みかど)、日本国の最高権力者です。
翁(おきな)の家でかぐや姫を見た帝は、姫を宮中に連れ帰ろうとします。

この国の生まれでは無い
・(原文)
かぐや姫、答へて奏す。
「おのが身は、この国に生まれて侍(はべ)らばこそ使ひ給(たま)はめ。
いと率(ゐ)ておはしまし難くや侍らむ」と奏す。

帝、「などかさあらむ。なほ率ておはしまさむ」とて、
御輿(みこし)を寄せ給ふに、このかぐや姫、きと影(かげ)になりぬ。


・(現代語訳)
かぐや姫は、帝に答えて申し上げました。
「私の身は、この国に生まれたのでしたら、お召し使いなさるのも良いでしょう。
しかし、そうではありませんので、連れておいでになるのは大変難しいでしょう」

帝は 「なぜ、そんなことがあろうか。やはりお連れしよう」と言って、
御輿をお寄せになると、このかぐや姫は、さっと影になってしまいました。

帝の想いもかなわぬ
こうして、帝は後ろ髪を引かれる思いで、かぐや姫を残したまま翁の家を去ったのでした。

 

 

2019-12-01 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 8.貴公子たちの奮闘ならず!


貴公子たちの奮闘
5人の貴公子の中で、2番目に登場するのが車持皇子(くらもちのみこ)です。
皇子はかぐや姫に請われた、「蓬莱(ほうらい)の玉の枝」を持って来ますが、偽物(にせもの)でした。

偽物はお返し下さい!
・(原文)
かぐや姫、暮るるままに思ひわびつる心地、笑ひ栄へて、
翁(おきな)を呼び取りて言ふやう、

「まこと、蓬莱の木かとこそ思ひつれ。
かくあさましき虚言(そらごと)にてありければ、はや返し給へ」


・(現代語訳)
かぐや姫の、日が暮れるにつれて思い沈んでいた気持ちが、
すっかり吹き飛んで、晴れ晴れとうれしそうに笑っています。

そして、翁を呼び寄せてこう言いました。

「本当に蓬莱の木かと思ってしまいました。
このようにあきれた嘘だったのですから、はやく返して下さい」

誰一人答えられず
かぐや姫の願いに答えられなかったのは、車持皇子だけではありません。
5人の貴公子が次々と登場しますが、願いをかなえた者は誰一人いませんでした。
 

 

2019-11-24 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 7.世の男たちが押しかける


かぐや姫が絶世の美女に
わずか9cm程だったかぐや姫は、3か月後には絶世の美女に成長しました。
そうなると、世間の男たちが彼女を放っておくはずがありません。

世の男たちが押しかける
・(原文) (*1)
世界の男(をのこ)、貴(あて)なるも賤(いや)しきも、
いかで、このかぐや姫を得てしかな、見てしかなと、
音に聞き、めでて惑(まど)ふ。
   --- 中略 ---
おろかなる人は、
「用(やう)なき歩(あり)きは、よしなかりけり」
とて、来(こ)ずなりにけり。


・(現代語訳)
世間の男は、身分の高い者も低い者も、
何とかして、このかぐや姫を手に入れたいものだ、妻にしたいものだと、
噂(うわさ)に聞いて、心ひかれ思い悩みました。
   --- 中略 ---
想いがそれほど深くない人たちは、
「何の効果も無いのに歩き回ったのは、無意味なことだった」
と言って、来なくなってしまいました。

五人の貴公子が残る
それでも諦(あきら)めなかったのが、5人の貴公子でした。
そこでかぐや姫は、5人のなかで自分の願いに答えた者、の妻になろうと言いました。

(注記)
(*1) ご参考までに、「世界、見る、音」の意味について記します。

世界:世間。 仏教用語で、「」は時間(現世・来世など)、「」は空間(天界・地界など)を示します。
見る:妻にする。この語は多義語と呼ばれ、見る・会う、見て判断する、妻にする・結婚する、世話をする、などの意味があります。
:噂。 この他にも、物音、声、訪問・便り、などの意味があります。

 

 

2019-11-17 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 6.物語が始まる


冒頭の7つの文
竹取物語のなかでも、冒頭部分は教科書でもお馴染みで、最もよく知られています。
翁(おきな)が、竹の中のかぐや姫を見つけ、我が子にしようと思い、家に持ち帰る部分です。

以下に引用した、冒頭を飾る7つの文(青色フォント)をお楽しみ下さい(*1)。

竹取の翁の紹介
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。

野山にまじりて(*2)竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。
名をば、さぬきの造(みやつこ)となむ(*3)言ひける。


かぐや姫を発見
その竹の中に、もと(*4)光る竹なむ一筋ありける。

あやしがりて寄りて見るに、筒の中(なか)光りたり。
それを見れば、三寸(*5)ばかりなる人、いと美しうて居たり。


姫は翁の養女に
翁言ふやう(*6)、

「われ朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて(*7)知りぬ。
子になり給(たま)ふべき人なめり(*8)」とて(*9)、

手にうち入れて(*10)家へ持ちて来ぬ。



(注記)
(*1) 文のベースは「武藤(むとう)本」、かつて最古の写本と言われた流布(るふ)本系の本文です.
実際には 「塚原鉄雄(1976):竹取物語の文章構成,中古文学,1976年,17巻, p.5,[資料四].」などを参考にしました.
また、(*2)~(*10)の箇所には、ご参考用に現代語表記などを付しました.

(*2)まじりて:分け入って. (*3)なむ:強調の係助詞. (*4)もと:根元が. (*5)三寸:約9cm. (*6)言ふやう:言うには. (*7)おはするにて:いらっしゃることで. (*8)なめり:であるようだ. (*9)とて:と言って. (*10)手にうち入れて:手の中にそっと入れて.


 

 

2019-11-10 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 5.物語の構成と概要


大秀が9つに分けた
江戸時代後期、飛騨高山に本居宣長を師と仰ぐ国学者、田中大秀(おおひで)がいました。
彼は名著「竹取翁物語解」で物語全体を9つに分け、今でもそれが広く認められています(*1)。

竹取物語の概要
その第1では、かぐや姫の生ひ立ちが紹介されます。

第2では、5人の貴公子たちが求婚すると、かぐや姫は一人一人に難題を突き付けます。

例えば、車持皇子(くらもちのみこ)には「蓬莱(ほうらい)の玉の枝、を折って来てください。」と言います。
しかも、その木は「根が銀、茎が金、実が真珠」だと言うのです。

第3~7では、各貴公子が難題に取り組みますが、いずれも失敗に終わります。

第8では御門(みかど)が登場し、かぐや姫に求婚するも失恋します。

第9では、かぐや姫が昇天して月へ帰ります。

大きくまとめると3つ
上の9つは、大きく3つ(Ⅰ~Ⅲ)にまとめることが出来ます。

Ⅰ.かぐや姫と貴公子たち (1~2)
Ⅱ.五人の貴公子たちの失恋 (3~7)
Ⅲ.御門の失恋とかぐや姫の昇天 (8~9)

最後に
このように竹取物語は全体を9つに分けることが出来ます。
但し、第9の最後の部分を独立させて、「第10.富士の山」 とすることがあります。

(注記)
(*1) 塚原鉄雄(1976):竹取物語の文章構成,中古文学,1976年,17巻,p.1-15.


 

 

2019-11-03 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 4.平安時代の人気作


源氏物語だけじゃない
紫式部は源氏物に 「物語の元祖である『竹取物語』」と書きました。
しかしその時代に竹取物語を引用したのは、源氏物語だけではありません。

平安時代の人気作
源氏物語より50年以上前、西暦950年頃までに書かれた、と推定されるのが「大和物語」です。
その第77段の和歌の中に、竹取物語の引用と言われる箇所があります(*1)。

「竹取が よよに泣きつつ とどめけむ 君は--」

(現代語訳) 「竹取の翁が 毎夜泣きながら (月に帰るのを)引き留めた かぐや姫は--」

この大和物語の他にも、竹取物語のお話しは、後続の幾つもの物語中に見られます。
例えば、源氏物語以前では「うつほ物語」、また以後では「栄花物語」、「狭衣物語」などです(*2)。

どうやら平安時代の物語の世界では、竹取物語は誰もが知る人気作だったようです。

古い資料が無い
ところが、竹取物語の成立年や作者は今でも不詳で、原本も見つかっていません。
現在あるのは物語を書き写した写本だけ、その時期は一番古くても室町時代です。

そして最古と言われる完本は、室町時代末期(1570年)のものです。
ここで完本とは、内容が全部そろい欠けた部分が無いものです。

平安時代の物語
私たちが教科書で読む竹取物語は、室町時代の写本がベースです。
とは言えその写本も、元をたどれば平安時代の原本に行きつきます。

まずは、身近にある竹取物語を手に取って、平安時代の物語を楽しみましょう。

(注記)
(*1) 室田智香(2010):『源氏物語』第二部後半の『竹取物語』受容, 中古文学, 2010年85巻, p.101-116.
(*2) 吉田比呂子(1990):説話と物語-竹取物語を中心として, 弘前大学国語国文学,12,1990, p.1-17.


 

 

2019-10-27 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 3.古事記はもっと古い?


古事記はもっと古い?
平安時代初期に書かれた竹取物語は、「日本最古」と言われています。
しかしその約100年前、奈良時代初期には古事記が編纂されています。

それなのに何故(なぜ)、竹取物語が日本最古と言われるのでしょう?

そもそも古事記とは?
天武天皇は、天皇家の正当性を裏付けるため、当時の歴史書の誤りを正そうと考えました(*1)。
そこで聡明な稗田阿礼を使って、歴史書の偽りを削り真実を定めたうえで、阿礼に暗誦(あんしょう)させました。

その後、阿礼が暗誦していた内容を、712年に太安万侶が書物にまとめました。
こうして誕生した古事記は、現存する日本最古の歴史書、と言われています。

古事記と竹取はジャンルが違う
ということで、古事記は「歴史書」です。
神代から33代天皇に至るまでの、神話および天皇の系譜が書かれています。

一方、竹取物語は「物語」です。
それまで長く口承されて来た昔話を、ある知識人が書物にまとめたものです。

また、竹取物語では仮名文字が使われましたが、古事記は漢字だけで書かれました。

やっぱり竹取物語は日本最古
以上のことから、どうやら古事記も竹取物語も共に「日本最古」 のようです。
ただし、前者は現存する「歴史書」の中での日本最古、また、後者は「物語」の中での日本最古です。

(注記)
(*1) 奈良県歴史文化資源データベース:(ホームページ)//奈良偉人伝/太安万侶/『古事記』を編纂した奈良時代の文官.


 

 

2019-10-20 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 2.日本最古の物語


物語の元祖:竹取物語
平安時代の女流作家・紫式部は、藤原道長の支援を受けて源氏物語を書き上げました。

そのなかで彼女は、「物語の出(い)で来はじめの祖(おや)なる『竹取の翁(おきな)』」と記しました。
現代語に訳すと 「物語の元祖である『竹取物語』」です。

口承から文字へ
竹取物語に似た昔話は、紫式部の時代より前からありました。
そして、親から子へと口伝えで伝承(口承)されて来ました。

この昔話の世界は、仮名文字の発明により大きく変わりました。
口承されて来たお話しが、文字として残るようになったのです(*1)。

これが物語の誕生で、紫式部はその元祖を竹取物語としました。

富士の煙から年代を探る
竹取物語の最後は、富士山に関する文で終っています。
 「その煙、いまだ雲の中へ立ち昇るとぞ、言い伝ヘたる(*2)。」

一方、905年編纂の古今和歌集・仮名序には、次の記載があります。
 「今は、富士の山も煙たたずなり。」

これに着目したドナルド・キーンは、竹取物語は「905年より前に書かれた」と推測し、「日本最古」 としました(*3)。

竹取物語は日本最古の物語
このように、竹取物語は日本最古の物語と考えられています。

(注記)
(*1) 清水泰(1956):物語の祖, 立命館大学日本文学会, 論究日本文學,第5号(1956年6月).
(*2) 平安時代には富士山の活動が活発でした。この時期の歴史的噴火として、貞観大噴火(864年)、および承平7年の噴火(937年)、などが伝えられています。
(*3) Yasunari Kawabata, Masayuki Miyata, Donald Keene(1998): The Tale of the Bamboo Cutter, Kodansha USA, September 16, 1998.


 

 

2019-10-13 08:00:00

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【連載30】かぐや姫 1. 小学生から大人まで


かぐや姫の故郷
秋も深まり、夜空の月が一段と美しく輝く季節になりました。

あの美しい月は、昔々竹から生まれた、かぐや姫の故郷(ふるさと)です。
月に帰ったかぐや姫は、今頃、翁(おきな)たちを思い出しているかもしれません。

これからしばらくは、かぐや姫が都で活躍する昔話、竹取物語についてお話ししましょう。

教科書でおなじみ
竹取物語が初めて教科書に掲載されたのは、大正7年、今から100年も前のことでした(*1)。

そして 「今は昔、竹取の翁といふものありけり。」で始まるこの物語は、今では、お馴染みの教材になりました。
義務教育では小学5年と中学1年、そして高校では国語総合と古典A・Bに登場します。

私たちが学校で勉強して行くなかで、3回も出会うこの竹取物語は、まさに古典教材の王様と言える存在です。

そして受験でも
教科書の世界でこれだけ有名な竹取物語ですから、期末試験などでは必須の勉強項目です。

そして中・高・大学への入学試験でも、あらすじを知っておくことが大切と言われます。
さらに公務員試験などでは、一般教養の問題として出題されています。

どうやら竹取物語は、日本人として必要な教養の一部、とされているようです。

家族でかぐや姫に親しもう
秋の夜長、そして読書の秋、と言われる季節です。 家族みんなで月を見ながら、もう一度、竹取物語を手にとって見ましょう。

(注記)
(*1) 青木美咲希(2019):教材『竹取物語』の考察, 愛知教育大学国語教育研究会, 会報 第7号, 2019.02.28.

 

 

2019-10-06 08:00:00

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