みどりの歯科クリニック

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【連載25】今年の干支は亥(い) 4.南方熊楠の十二支考

【連載25】今年の干支は亥(い) 4.南方熊楠の十二支考


南方熊楠(みなかたくまぐす)は在野の博物・生物・民俗学者で、広範な分野で数多くの論文を発表しています。
その中の一つが「十二支考」で、大正3年から10年間に渡り、その年の干支をテーマに発表されました。

シリーズの最後は、大正12年、亥(い)の年に発表された「10 猪に関する民俗と伝説」です(*1)。
雑誌「太陽」に発表されたこの記事は、イノシシとブタの話から始まります。

以下ではその概要をご紹介しましょう。

亥はブタの年
最初は「朝鮮風俗集」の引用で、おおむね次のような内容です(*2)。

「『亥』は日本では『イノシシ』である。
しかし、中国や朝鮮では『猪』は『豕(ブタ)』のことで、山猪がイノシシである。
すなわち朝鮮では今年はブタの年である--。」

イノシシはブタの代わりだった
続いて、中国の権威ある文献、「爾雅」および「本草綱目」を引用しながら、次のように述べています(*3)。

「文献にあるように、日本・中国共に『豕(イ)』すなわち『ブタ』を 『猪』と呼んだ。
また、家で飼う家猪に対して、野生の猪を野猪すなわち『イノシシ』と呼んだ。

実際に、日本でも野生のイノシシを家畜化して、ブタとして飼ったことがわかっている(*4)。
その証(あかし)として、猪飼部(いかいべ)と言う呼び名なども残っている。

しかし、日本では家猪を飼う習慣が絶えたため、『イノシシ』を『イ』と呼ぶようになった。」

(注記)
(*1) 南方熊楠 (1923):十二支考 10 猪に関する民俗と伝説, 太陽, Vol.29, 博文館.
(*2) 今村鞆(1914):朝鮮風俗集, 斯道館.
(*3) 爾雅(じが)は、中国最古の類語・語釈辞典で漢代などの古文学研究上、非常に重要な資料とされています.
また本草綱目(ほんぞうこうもく)は、漢方医術の薬用動植物に関する最も充実した著書です.
(*4) これについては、「中国大陸から渡来した弥生人が、日本にブタを持ち込んだ」とする説もあります(*5)
(*5) 西本豊弘(1991):弥生時代のブタについて、国立歴史民俗博物館研究報告 第36集,p.175-193.

 




 

2019-01-27 12:00:00

干支(えと)