みどりの歯科クリニック

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【連載35】ギリシャ神話とスイセン 4.そして木霊だけが残った

【連載35】ギリシャ神話とスイセン 4.そして木霊だけが残った


エコーの熱い想い
ある日、深い森で仲間達からはぐれた、ナルキッソスが大声で叫びます(*1)。
「僕のことを避けるなよ!」、「みんな集まろう!」。

これを聞くと、森に潜んでいたエコーは喜んで、「みんな集まろう!」と返しました。

しかし彼女の気持ちは高まるばかり。
すぐさま愛する彼に走り寄り、抱きつこうとしました。

突き放すナルキッソス
ところが、彼は素早く身をかわして、こう叫んだのです。

「両手を放すんだ! 抱きつかれるなんて嫌だ。
あなたなんかに触られるなら、死んだ方がましだ!」

失意のエコーがやせ細る
突き放されたエコーは深い森に逃げ込み、恥ずかしさで赤面した顔を緑の葉で隠しました。
それ以来、彼女は丘の寂しい洞窟に、隠れ住むようになりました。

しかし、失恋の悲しさに夜も眠れぬ彼女は、哀れにやせ細り骨と皮だけになりました。
彼女のあの愛らしさは、あたかもそよ風に散ったように、消えてしまったのです。

木霊(こだま)だけが残った
残ったのは骨と声だけ。 しかしその骨もまた、石に変わってしまいました。
こうして、彼女に残されたのは唯一つ 、「声」 だけでした。

この彼女の声 「エコー」は、今もなお荒野のなかで生き続けています。

(注記)
(*1) Ovid. Metamorphoses (Translated by More, Brookes.(1922)), Book 3, 5.Narcissus and Echo,[370].


 

 

2020-09-06 08:00:00

ギリシャ神話とスイセン